植物に囲まれたこだわりの空間で、心とカラダをいたわる夜時間。〜フラワークリエイター・佐々木沙織さんのナイトルーティン〜

自分自身のお手入れはもちろん、家族やまわりにいる人たちへのケアも大切にする。そんなコンディションを整えることに長けたプロフェッショナルたちは、一日の疲れや乱れをオフするためにどんな夜のルーティンを取り入れているのでしょうか。今回は、フラワークリエイターとして活躍する、佐々木沙織さんにお話を伺いました。

夜のリラックスタイムのために、掃除や洗濯は朝の2時間で完了!

フリーランスのフラワークリエイターとして、店舗やオフィスのグリーンディスプレイを手がけるほか、フラワーアレンジ講師としてレッスンを行っている佐々木さん。アトリエ兼ご自宅のリビングルームには、スワッグやリースを作るためのドライフラワーなどが並び、植物に囲まれた毎日を送られています。

ご夫婦二人で暮らしている佐々木さんの朝は、朝8時に起床し、ご主人を見送ってスタートします。部屋の窓を全開にしてベッドメイキングをし、白湯を飲んで、朝支度のモードにスイッチを切り替え。植物に水をあげ、部屋の掃除や洗濯、身支度、レッスンの準備などを2時間で一気にすませ、10時にはご自宅のアトリエに生徒さんを迎えます。

午前のレッスンを終えると、息つく暇もなく、午後からは週に3〜4日程度、インテリアの会社に出向いて委託業務をこなします。こちらでは、植物を使ったディスプレイを担当されているそう。それ以外の日にも、レッスンで使用する花材の仕入れや準備をするなど、忙しい毎日を送っています。

夜のルーティン その1

ワインを1杯だけゆっくり味わって、その日あったことを夫婦で話す

夕食は、仕事帰りのご主人を待って、家で一緒に食べることが多いという佐々木さんご夫婦。料理を作るのは佐々木さんが担当し、ご主人が後片付けをするのが何となくのルールです。そして最近の夜のルーティンになっているのが、食後にワインを一杯だけ飲む夫婦の時間。

「主人が最近、ナチュラルワインにハマっていて、それを二人で毎晩、グラス1杯だけ飲むのが習慣になっています。その日どんなことがあったのかをお互いに話し合ったり、仕事の悩みを相談したりと、二人のコミュニケーションの大事な時間です。タブレットで好きなお笑い番組を一緒に観たりすることもありますね」

ワインは1杯だけと決め、酔わない程度に切り上げるのがルール。飲みすぎると次の日に影響してしまうからだそう。また、飲みながら映画などを観てしまうと、時間が長くなり、自然と量も増えてしまうので、ワインのお供は“お笑い番組”と決めているのだとか。

「就寝までの時間には、“明日はもっとこれをやろう、あれをやろう”と、やる気に満ちています(笑)。そして、限られた時間をいかに有意義に過ごせたかということをよく考えますね。夜にやりたいことをルーティン化しているのも、そのためかもしれないです」

夜のルーティン その2

バスタイムやティータイムで、頑張った心とカラダをいたわる

疲れた体をリフレッシュさせてくれるのが、バスタイム。毎日1時間以上、ゆったりとお湯につかるのが佐々木さんの日課です。湯船に入れる入浴剤は、エプソムソルトとよもぎ湯を好みに合わせて選びます。エプソムソルトはしっかり汗をかけますし、よもぎ湯は香りに癒されているそう。

佐々木さんのこだわりは、湯船につかりながらのヘッドマッサージ。1つだけでは物足りなくなり、思わず2つ目も購入して、今では両手でマッサージしているそうです。

「職業柄、前かがみで作業している時間が長いので、首から肩、腰のコリがとにかくひどいんです。ヘッドマッサージで頭はもちろん、首やデコルテもマッサージして疲れをほぐしています。浴室に防水ラジオを持ち込んでラジオを聴き、汗をかきながらボーッとするのが至福の時間。汗をかくほど、楽しいんです!こうやって入ると、湯上りは驚くほどスッキリですよ」

入浴中は水分補給も欠かせません。お水にちょっとだけ塩を加えて、お風呂場にマイボトルを持ち込みます。

夜に取り入れる飲み物にも、しっかりとこだわりが。花やグリーンを扱うことを仕事にしている佐々木さんらしく、体調管理には“植物の力をいただく”ことを意識しているそう。毎日続けているのは、「シャタバリ」というハーブパウダーを飲んでいること。こちらは、滋養作用やホルモンバランスの調整などに効果があるとされているハーブだとか。

さらに眠る前には、お気に入りのハーブティーを。最近はカモミールとエルダーフラワーを自身でブレンド。カモミールは心身をリラックスさせるハーブの代表、エルダーフラワーは鼻炎や花粉症などの症状緩和に効果が期待できるそうです。その時期の体調や悩みに合わせて、ハーブティーの種類も変えていきます。

「カフェインレスのハーブティーをお気に入りのマグカップに入れて、ベッドルームへ。ベッドの枕元に置き、眠る前にゆっくり飲んでいます。お花をそのままドライにしているハーブティーを選ぶと、見た目もきれいで癒されますよ」

夜のルーティン その3

お気に入りのベッドルームで、夫婦それぞれに夜時間を楽しむ

入浴後には、リビングルームではなく、ベッドルームに籠もってくつろぐというのが佐々木さんご夫婦のスタイル。リビングルームは仕事や食事をするオンの空間、ベッドルームは夫婦でくつろぐオフの空間として、しっかりと区切って暮らしています。

「我が家はリビングにソファもテレビも置いていないので、ゴロンとくつろぐ場所がないんです。その代わりに、ベッドの上が夫婦のくつろぎの場所。夫はゲーム、私はタブレットで映画や海外ドラマを観るなど、それぞれ好きな時間を過ごしています。我が家の場合、ベッドがソファ代わりという感覚ですね」

インテリアの仕事をしている佐々木さんらしく、寝室の空間作りにもこだわりが。温かみのある間接照明を効果的に配したり、目につく場所に観葉植物を置いたり、リラックスできる寝具を選んだり。アロマも焚いて、お気に入りの香りに包まれて過ごしているそうです。

「お互いが気持ちよく過ごすために、ルールを決めています。それは、外から帰ったままでベッドには入らないこと。入浴をすませて、きちんとパジャマを着てからベッドに横になるようにしています」

さらに、YouTubeで瞑想系チャンネルを使って瞑想をしながら眠りにつくのも、佐々木さんのルーティン。

「頭の中を空っぽにするのがすごく苦手で、常にせわしなく考えてしまうタイプなんです。でも、瞑想アプリで流れてくるナビゲーターの言う通りにやってみると、頭の中が空っぽになって、自分の体と向き合い、きちんといたわることができている気がします。最後まで聞き終えることなく、いつも寝落ちしているんですけどね(笑)」

フリーランスになりたての頃は、アレンジの製作など深夜まで仕事をしていたことも。その時は夢中で作業をしていたけど、体調を崩すことも度々あったとか。

「家にいるときは、夜は基本的に仕事をしません。夜の時間は、自分をいたわる時間にしたいんです。仕事が残っていても、朝やればいいやと思うようにしています。仕事関係のメールのチェックも、夜はなるべくしませんね。そのために、23時ぐらいにはスマホをおやすみモードに切り替えます」

ご結婚をきっかけに二人で暮らすようになり、生活リズムも整って、佐々木さんの今の生活スタイルに自然とシフトしていったようです。

日中は、平日も週末も仕事でフル回転だからこそ、夜は完全にスイッチをオフに切り替え、自分の時間、そしてご夫婦の時間を大切に過ごされている佐々木さん。限られた夜の時間を有効に過ごせるように、やりたいこと・やるべきことをルーティン化していました。また、ご自宅が仕事場でもあるからこそ、空間にも時間にも、オンオフの区切りをしっかりつけるなどの工夫も。これが、ご夫婦がお互いに気持ちよく過ごすためのコツなのかもしれませんね。

コラム

My Favorite〜毎日を快適に過ごすために〜

オフの日は体を動かすこと、夜は寝室でくつろぐこと

「週に一度、夫婦でパーソナルジムに行き、仕事がない平日には一人でピラティスにも通っています。体を動かすのが好きなので、ジム通いは私にとっての息抜きの時間。ただ、家では一切やりませんね。リビング=仕事をする場所、寝室=思いきりリラックスできる場所と決めているので、運動するところがないからかもしれません。

寝室でリラックスして過ごすのも大切な時間。スマートスピーカーの「アレクサ」に呼びかけて照明を落とし、リラックスできるBGMを流して、自分の好きなことをゆったり楽しむ。それが、明日への活力にもなっています」

プロフィール

佐々⽊沙織/Saori Sasaki

フラワークリエイター、フラワーアレンジ講師。祐天寺にあるアトリエ「flower carrie」を中心に、個人レッスンや出張ワークショップ、イベントなどを開催。ドライフラワーやプリザーブドフラワーを使ったスワッグ・リース・フラワーアレンジメントを丁寧にレクチャー。希望に合わせたウェディングブーケのオーダー製作も行なっている。ご主人との二人暮らし。

公式HPhttps://www.flowercarrie.com/
Instagram:https://www.instagram.com/flower_carrie/

 


 

ライター/内田あり

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。夫と高校生・中学生の姉妹と4人暮らし。

(取材日:2023/01/16、 取材地:佐々木沙織さんのご自宅、 編集:武田明子 撮影:田尻陽子)