翌日を気持ちよく迎えるために、自分と家族に向かい合う。〜ヨガ講師・芥川舞子さんのナイトルーティン〜

自分自身のお手入れはもちろん、家族やまわりにいる人たちへのケアも大切にする。そんなコンディションを整えることに長けたプロフェッショナルたちは、一日の疲れや乱れをオフするためにどんな夜のルーティンを取り入れているのでしょうか。今回は、ヨガ講師であり、モデルとしても活躍する芥川舞子さんにお話を伺いました。

仕事も家事も子育ても。夫婦で分担するのが芥川さん流

ヨガ講師、モデル、妻、そして母親と、さまざまな顔をもつ芥川さんのウィークデイは、まさにフル回転。朝は8か月になる息子さんの授乳からはじまり、中学3年生の娘さんを学校へ送り出した後は、洗濯などの家事や買い物、その間にはヨガのプライベートレッスンもこなします。現在はご自宅の一室にて、プライベートレッスンを行っている芥川さん夫婦。生徒さん一人ひとりの気持ちやその日の体調に寄り添い、2時間ほどかけてじっくりとヨガを行うスタイルです。

赤ちゃんのお世話をしながら、家事もこなし、1日1~2レッスンを行うのは想像以上に大変なこと。それをこなせているのは、同じくヨガ講師であるご主人と、家事も育児も仕事も分担して行っているから。インタビュー中も、「やっておいたよ」「ありがとうね」のやりとりが、自然に飛び交っていました。

「私がレッスンをしているときは、主人が息子の面倒を見てくれて、逆に主人がレッスンをしている最中は私が息子の面倒を見ます。今は主人がフリーランスで家にいてくれるので、ほとんどの行動をともにしている感じですね。バランスよく分担できていることで、気持ちの面でストレスが少ないです」

朝の支度から日中のプライベートレッスン終了まで、一気に突っ走る芥川さんのウィークデイ。夜7時くらいに息子さんの寝かしつけが終わると、やっとひと息つくことができます。ご主人と娘さん、三人でのゆったりとした夜の時間がはじまるのだとか。そこから眠りにつくまで取り入れている、ルーティンを紹介してもらいました。

夜のルーティン その1

家族で一緒に夕食をとり、1日のできごとを話す

芥川家の夜のルールは、「夕食の支度はみんなですること」「夕食は必ず一緒に食べること」「一日にあったできごとを英語で話すこと」だそう。家族みんながそれぞれに忙しい毎日を送っているからこそ、この時間だけは必ず一緒に過ごすように心がけていると言います。

「下の息子が生まれてから、どうしてもそちらにエネルギーが取られてしまって。だからこそ、娘とは夕食の支度を一緒にしたり、食事をしながら学校であったことを話したりして、できるだけコミュニケーションを取るようにしています」

夕食後には、夫婦でティータイムを楽しむのもルーティンのひとつ。明日はそれぞれどんな風に動こうかという、打ち合わせも兼ねています。この話し合いが、翌日もお互いがスムーズに動くために必要な時間だそう。

「やらなきゃいけないことが重なってしまうと、ひとりで突っ走ってしまうタイプ。明日やるべきことを頭の中で整理するためにも、主人とのこの時間はすごく大切ですね。お酒が得意でない私たちは、お気に入りのハーブティーをゆっくり飲みながら、話をすることが多いです」

夜のルーティン その2

温活とアロマの香りで、心とカラダをいたわる

芥川さんのリラックスタイムは、家族みんなが寝静まってから。ここからゆっくりとお風呂に浸かり、束の間のひとり時間を過ごします。下のお子さんを妊娠してからはとくに、温活を意識するようになり、できるだけ時間をかけて入浴しているそう。

入浴以外でも、普段から体を冷やさないよう、温活に気を遣っているという芥川さん。

「朝起きたら、家族全員分の白湯を大きな鍋で作って、それを各自のマイボトルに入れて持ち歩きます。体内の老廃物を流したいので、普段から水をたくさん飲むように家族みんなで心がけていますね。冷たい飲み物も控えるようにしています」

さらに、夜の時間をリラックスさせてくれるのが、アロマの香り。芥川さんが最近気に入っているユーカリの香りを部屋で使ったり、トイレには清涼感のあるハッカを置いたり、ベッドサイドでお気に入りのお香を焚いたりと、場所やシーンによって使い分けをして楽しんでいるそうです。

「お風呂上がりには、ボディークリームを塗ったあと、全身に使えるオーガニックのアーモンドオイルでマッサージも行います。アロマのいい香りをまとったままベッドに入れば、心地よく眠りにつくことができるので」

母親として、家族のニオイのケアにも気を配っている芥川さん。娘さんにもこまめに着替えを促したり、通気性のある衣服を選んであげたり、普段から水分をたっぷり飲むなどのアドバイスをしているそうです。

夜のルーティン その3

部屋を整えて、夜ヨガで自然に眠りにつく

カラダのメンテナンス以外にも、芥川さんが夜の時間に必ず行っているのが、明日のための準備と部屋を整えること。

洗濯物はきちんと畳んで収納にしまう、部屋の中で気になっている箇所を掃除する、早朝にお掃除ロボが水拭きできるように家具をすべて上にあげておくなど、就寝前に必ず部屋を整えます。どんなに疲れていても、これだけは夫婦ふたりでこなしてから眠りにつくと決めているのだそう。

「朝起きて、床がピカピカだとすごく気持ちがいいんです。そのおかげで、目覚めも良くなったように思いますし、何よりも家事のやる気が起きるようになりました。これまでは、面倒臭いことは後回しにしがちだったのが、面倒なことこそ、先回りしてやってしまえという気持ちに切り替わった気がします。

今は自分だけに使える時間をしっかり確保することはできないのですが、夜に料理をしたり、気になる場所を整えたりするだけでも、気持ちがスッと落ち着くのを感じます」

芥川さんにとってライフワークであるヨガは、眠る前の大事なルーティンにも。朝は1時間ほどかけて行いますが、夜は数分~10数分程度と軽めにしています。

「どんなに疲れていても、1日の締めくくりとして、夜のヨガをします。だんだんリラックスしていくような、ゆったりとしたヨガがメイン。最後に呼吸法と瞑想をすると、自然と眠りに誘導できます」

仕事に家事、子育てと、毎日を忙しく過ごす芥川さんにとって、夜は家族との大切な時間を過ごすとともに、自分自身とも向かい合う時間。そんなルーティンがあるからこそ、翌朝も気持ちよく目覚められ、パワフルに動けるのかもしれませんね。

コラム

My Favorite~毎日を快適に過ごすために~

息子とのお昼寝タイムでリラックス!

「私が毎日を快適に過ごすために大切にしているのが、リビングのリラックスチェアで過ごすひととき。窓の外には緑が見えて、すごく気持ちがいいんです。ここで息子を抱っこして授乳をしていると、いつの間にか昼寝をしてくれるので、そのまま私も一緒に寝てしまいますね。忙しい毎日の中で、ちょっとしたリラックスタイムが過ごせる場所です」

プロフィール

芥川舞子/Maiko Akutagawa

14歳でモデルデビューを果たし、ファッション誌の専属モデルとして活躍。その後、ヨガ歴40年以上の母親からヨガを習い、ヨガインストラクターへ転身。2016年、夫でありヨガ講師の芥川洋輔と、義母であり同じくヨガ講師の大川さつきと「フリダヤヨガスクール」を立ち上げる。プライベートレッスン以外にも、大型ヨガイベントやセミナーにて講師をつとめている。

 

Instagram:https://www.instagram.com/maiko.akutagawa/

公式HP: hridaya-yogaschool.com

 


 

ライター/内田あり

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。夫と高校生・中学生の姉妹と4人暮らし。

 

(取材日:2022/05/16、 取材地:芥川 舞子さんのご自宅、 編集:武田明子、 撮影:田尻 陽子)